【合格体験記】E資格

約1年前になりますが、E資格の2025#2に合格しました。E資格は受験資格の関係で受験者が少なく、勉強方法の情報も集めにくい試験なので、認定プログラムの選択から勉強方法、試験を受けた感想までを合格体験記としてまとめておきます。


E資格とは

E資格(JDLA Deep Learning for ENGINEER)は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が認定するAI・ディープラーニング分野の専門資格です。同じくJDLAが実施する資格に「G検定」がありますが、G検定がAIの事業活用や総合的な知識を問うゼネラリスト向けの資格であるのに対し、E資格は実際にディープラーニングのモデルを実装できるエンジニア向けの専門資格です。数学の理論からプログラムでの実装までを問う技術的な内容で、国内のAI資格ではトップレベルとされています。

またE資格は、申し込めば誰でも受験できる資格ではありません。受験するには、JDLAが認定する教育プログラムを試験日の過去2年以内に修了している必要があります。認定プログラムは各教育事業者が提供する講座で、期間は数週間から半年程度、受講料は数万円から30万円程度と幅があります。時間と費用をかけて学んだうえでなければ受験すら出来ないという点が、一般的な資格試験とは大きく異なる特徴です。

つまりE資格は、JDLAが認定するエンジニア向けのAI資格であり、認定プログラムでの学習に裏付けられた、ディープラーニングの理論と実装力を示す資格といえます。


受験の動機

自分がこの資格を取得しようと思ったのは、AIについての知識を深めたかったのと、国内最高峰のAI資格を取りたかったからです。なおこの資格より難しいAI系の試験として「AI実装検定S級」というものがありますが、シラバス以上の資料(参考書・問題集)が何もなく、非常にマイナーな試験なので、努力に見合った結果が得られないということで受験は考えませんでした。


情報収集の難しさ

IT資格試験の効率的な取得方法でも書いた通り、資格合格に重要なのは情報収集です。この資格でも情報収集をしたのですが、以下の理由で結構苦戦しました。

  • 受験資格に高額な講座修了が入っているため、受験者が少ない
  • 受講した講座によって、その後の勉強法が変わる
  • 2年ごとにシラバスが変更され、どの教材を使えばいいかも変わる

1番大きいのは、必須条件であるJDLA認定プログラムに何を選択するかで、全くやり方が変わるということです。そもそも母数が少ないのに、その中で自分と同じ講座を直近で受講した人を見つけることはほぼ不可能なので、結局は色々な情報をかいつまんで、自分で判断する必要があります。


必要な前提知識

この試験では数学・Python・AI/ディープラーニングの知識が必要になりますが、数学は最低限数式が理解できる位で良いですし、PythonもPyTorchまたはTensorFlowが動かせる位の知識で問題ありません。ただしプログラミング初学者だと少々きついかもしれないので、プログラミング知識だけは別に学ぶか、高額な認定プログラムの中にはPythonの基礎から教えてくれるものもあるので、そちらを選んだ方がいいと思います


使用した教材と認定プログラム

自分が使用した認定プログラムと教材は以下の通りです。

認定プログラム:AI研究所 E資格対策ディープラーニング短期集中講座
問題集:深層学習教科書 ディープラーニング E資格(エンジニア)精選問題集

認定プログラムについては、自分は費用をかけたくなかったので、株式会社VOSTのやっている5万円を切る安価な講座を選びました。最安では「ラビットチャレンジ」というものがあるのですが、幾つかの激ムズの認定テストをクリアする必要があるということで、あまり評判が良くなかったため却下しました。また国のやっている専門実践教育訓練給付制度を活用すれば、講座費用の最大80%の支給を受けることが出来ますが、自分は年齢制限で対象外でした。

問題集については、誤植が多すぎると不評の上記問題集を選びました。黒本は既に最新のシラバスに対応しておらず、当時最新のシラバスに対応した問題集はこの本だけだったからです。


勉強方法

勉強期間は1カ月でした。最初の1週間で認定プログラムを視聴し、受験資格を取得して、試験の申し込みを行いました。認定プログラムによっては課題の提出やテストをクリアしていないと受験資格を発行してくれないところもあるみたいですが、上記VOSTのやっている講座は、全ての講座を視聴するだけで発行してくれました。

そこから精選問題集に入りました。Amazonのレビューではこの本のおかげで一発合格出来たみたいなものもありましたので、所詮合格率6割超の試験、当初はこの問題集を仕上げれば合格できるだろう位の考えでいました。自分は網羅系問題集をほぼ100%近くに仕上げるだけで受験するという戦法を取ることが多かったので、10日程かけて重点的にこの問題集を実施しました。しかし問題集の仕上げも終わりに近づいたころ、この問題集だけで果たして合格できるのかという疑問が自分の中に浮かびました。というのもE資格の範囲は広く、この問題集で全てをカバーしているとは思えなかったからです。

そこで問題集を切り上げて、もう1度最初から講座を視聴し直しました。1周目はシラバスから外れたところも全て視聴しましたが、2周目はシラバスの対象箇所のみを視聴しました。試験2日前には2周目も全て見終わり、その日のうちに講座で配布している問題集を解きましたが、結構解けない問題が多かったです。

試験前日には、講座で配布しているテキストを読み直しました。1000ページ近くあるのですが、基本的には動画の講座で使っているスライド1327枚(当時)が1ページに2枚ずつそのまま入っており、文字も大きいので、物凄く時間がかかるということはありませんでした。しかしこのテキストを読んでみて、あることに気が付きました。それは、このテキストに試験で必要な知識が全て入っていたということです。前日に気が付いたのは痛恨の極みですが、それでも覚えられるだけ覚えました。


試験を受けた感想

試験を実際に受けた感想ですが、まずメモがしにくいです。いつも他のIT資格を受験している会場で受験したのですが、A4位のホワイトボード1枚と、すぐに乾燥して書けなくなる細字のマジックペンという、他のIT資格の時と変わらない環境でした。このすぐ後に受験した「AI実装検定A級」の時は紙と鉛筆だったので、もしかしたら会場によるのかもしれませんが、そうでないならこの点は改善すべきだと思います。

内容について少し触れると、シラバスから外れた部分も出題されていたので、特に直近でシラバスから外れた部分は勉強しておくべきでしょう。また最終日に行ったテキストを使った勉強をせめて3日やっておけば、この問題は取れただろうというのが何問もありました。


他の合格体験記について思うこと

他の合格体験記を見て気になったところを述べておくと、まず市販の問題集には余り頼るべきではありません。というのも市販の問題集は全範囲をカバーしているわけではなく、同じ問題が出題されるわけでもないからです。講座によっては直前模試みたいなテストを受けられるものもありますが、それも同じ理由で実力判定くらいに考えるべきです。

また講座の動画を何度も見ろというものもありましたが、動画の視聴は物凄く時間がかかるので、動画の内容をまとめたテキストがあるのであれば、そちらを見て覚えた方が圧倒的にタイパが良いです。そして「ゼロから作るDeep Learning」をやれば原理から理解できるという意見もありますが、E資格ではそこまで求められていないと思います。

ちなみに自分は受験当時Pythonは業務でかなり使っていましたが、PyTorch・TensorFlowは使ったことがなく、結局一度も触ることなく合格しました。


さいごに

E資格は認定プログラムの受講が必須という特殊な試験なので、どの講座を選ぶかで費用も勉強方法も大きく変わります。受験者が少なく情報も集めにくい試験ですが、この記事が受験を考えている人の参考になれば幸いです。

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