【合格体験記】ウェブデザイン技能検定1級

今年の3月に、ウェブデザイン技能検定1級に合格しました。ウェブデザイン分野で唯一の国家検定でありながら、受験者数も情報も少ない試験なので、これから受験を考えている人の参考になればと思い、受験資格の取得から学科・実技の勉強方法までを合格体験記としてまとめておきます。


ウェブデザイン技能検定1級とは

ウェブデザイン技能検定は、ウェブサイトの制作や運用に関する知識と技能を認定する国家検定です。1級から3級まであり、ウェブデザイン分野では唯一の国家検定とされています。合格証書は1級のみ厚生労働大臣名で交付され、2級と3級は試験を実施するインターネットスキル認定普及協会の理事長名で交付されるので、同じウェブデザイン技能検定でも1級は制度上、上位に位置づけられています。

試験範囲はHTMLやCSS、画像作成、アクセシビリティ、ネットワーク、セキュリティ、関連法規など、ウェブ制作に関する内容を幅広く扱います。ただし個々の技術を非常に深く問うというより、ウェブサイトの制作や運用に必要な知識と作業を一通り確認する内容です。試験は学科と実技に分かれており、1級実技を受けるには先に1級学科に合格する必要があります。

1級には実務経験などの受検資格が設けられています。また2級と3級が年4回実施されるのに対し、1級は学科が年1回、実技も年1回しか実施されないので、不合格になると次に受けられるまで長期間待つことになります。

合格者数も他の級に比べて極端に少なく、2024年度の合格者は1級が14人、2級が406人、3級が2,036人でした。制度開始から2024年度までの累計でも1級合格者は136人にとどまり、2級の4,510人、3級の24,250人とは大きな差があります。(今年も14名合格したので、1級の累計は150人)

もっとも、合格者が少ないことがそのままウェブ業界での高い評価につながるわけではありません。ウェブ制作の仕事では資格よりも制作実績や実務経験が重視されるためです。ウェブデザイン技能検定1級は取得者の少ない国家資格ではありますが、最新のウェブ技術に精通した高度技術者であることを保証する資格というより、ウェブ制作に関する幅広い知識と一定の技能を持っていることを示す資格と考えるのが適切だと思います。


受験の動機

受験の動機は、ウェブデザイン系唯一の国家資格という珍しい資格だったためです。また試験情報を検索すると結構難しいという評価がされていたので、受験してみる価値があると思いました。


受験資格について

ウェブデザイン技能検定には受験資格があります。いくつかある条件のうち代表的なものを挙げると、2級の受験資格は2年以上の実務経験か3級合格等で、1級の受験資格は7年以上の実務経験か、2級合格後に2年以上の実務経験を積むこと等です。なので自分はまず3級を取得し、次の回に2級を取得して、それから2年後に1級学科を受験しました。

実務経験といっても、業務としての実務経験でなくても構いません。例えばブログの運営でも良く、自分も2級取得後にブログを開設し、その経験2年で受験しました。ただし自分の場合はそれだけでなく、Laravel/PHPのサイトの機能追加・保守を約1半年、ASP.NETやNuxt.jsサイトの機能追加・保守を数か月、その他企業サイトおよび管理システムの機能追加・改善対応等をやっていました。純粋にブログ運営だけではなかったのですが、以前運営に直接問い合わせをしてブログ運営でもいいという返答を貰っている人がいたので、業務でなくてもいい筈です。


学科試験の勉強方法

勉強期間は学科1週間、実技2週間でした。

学科の勉強方法は、やはり過去問中心になると思います。1級の過去問は3年分しか本家では配布していないので、受験予定のある人はなるべく早くから過去問を収集した方がいいと思います。自分の場合は3級を受験した時から集め始めたのと、Internet Archiveに少し残っていたのでそれを合わせて、過去7年分を勉強に使いました。

解答は問題と一緒に入手できますが、解説は一切ありません。なのでAIに全問題の解説を作成してもらい、それを使って過去7年分を勉強しました。基本的な知識があれば、これだけで合格は可能です。2級問題も併せて勉強したという人や、関連法律まで調べたという人もいるみたいですが、AIに解説を作らせたり関連事項を調べさせたりした方が圧倒的に効率的です。ちなみに自分はChatGPTに、HTML/CSSとSEOについては本を読んで学んだ方がいいと言われ推奨してきた本を読みましたが、試験では全く役に立ちませんでした。

2025年第3回1級学科試験は受験者44名中、合格者が25名と過去最高の合格率でした。例年だと10%〜30%前後なのですが、昨年は確かに問題が簡単でした。この傾向が今後も続くのかどうかは分かりませんが、自分は42/50問正解だったので、例年通りの難易度であっても合格していたと思われます。ですから基本的な知識がある人なら、この勉強方法で問題なく合格出来ると思います。


実技試験の勉強方法

実技の方は毎年ほぼ同じ問題が出題されてきたことを踏まえ(今回は一部異なる問題が出題されました)、勉強方法としては学科と同じく、まずAI活用して解答案を作成してもらいました。ここが肝なので、ChatGPTとGeminiの双方の出力を他方の入力に与え、何度も検討を繰り返すことで、最終的な解答案を作成しました。また仮想環境でLinuxを動かし、実際の動作を確認できる環境を作成しました。

それで毎日問題の要求に合ったウェブサイトを1から構築し、何も見なくても同じものが作れるように練習しました。問題で最低限作らなければならないページは決まっているのですが、それ以外のページもメニューには載っています。試験当日までにはおそらく採点対象ではない他のページも含め、試験時間の180分あれば余裕でサイトが作れるようになっていました。


2025年第4回実技試験の変更点

しかし2025年第4回実技試験(2026年2月実施)では、過去問を元に準備していたコードだけでは、対応できないような変更が入りました。少なくても自分の持っている過去問を見ると、今までも細かい変更はあったのですが、ここまで大きな変更はありませんでした。

この変更は予想外だったので、正直少し焦りました。本番ではPHPのヘルプが使えるのですが、検索が一切使えないため、どこに何があるかが分かっている人間でないと、ヘルプで調べることは出来ないと思います。

最終的には1カ所ミスをしたものの、何とか仕様通りのものを作れましたが、自分と同じように過去問と同じ問題が出題されると思っていた人は、焦った人も多かったのではないでしょうか。学科の合格者は25名でしたが、実技はいつも学科合格者より受験者が数名増えるので、仮に30名が受験していたとすると、それでも約半数の14名が今回合格したことになります。

来年以降毎年問題が変わるとは思えないので、おそらく数年はこの問題のまま行くと思われます。とは言うものの念のため、昨年までの問題と今回の変更点を見比べて、若干の変更にも耐えられるような準備はしておいた方がいいかもしれません。


さいごに

ウェブデザイン技能検定1級は合格者の少ない国家検定ですが、過去問をしっかり集めてAIを活用すれば、学科・実技とも基本的な知識があれば十分合格出来る試験だと思います。受験資格の関係で取得までに時間はかかりますし、年1回しか受験機会がないので計画的な準備が必要ですが、ウェブ制作に関する知識を体系的に確認するいい機会にもなるので、興味のある人は挑戦してみてはいかがでしょうか。

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